漁業中心でお肉を食べる習慣がなかったように見える日本ですが、すでに古代縄文時代には豚の原種である猪が存在しており、鹿と共に狩猟の対象となっていました。
弥生時代には家畜化されていますから豚肉を頂く機会は充分にあったのです。
天武天皇の時代には肉食禁止令が出され、そこから四足動物を食べると身が穢れると豚肉を忌避する歴史が始まったわけです。
中国では干支の一つとなっている豚が日本だと猪に、5世紀ごろにはすでに養豚も廃れていたようです。
ようやく庶民の間で食肉文化が浸透してきたのは文明開化の頃、ただし牛なべが持てはやされたように牛が一般的、明治後期になって豚肉を油で揚げたトンカツの原型メニューが東京銀座の煉瓦亭で考案されたのを機に、カツカレーやトンカツなど今でも食べられる豚肉料理が広まっていきました。